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生活のにおいのする電車
080112
昨年から始まった鰹たたき王国巡業
相変らず路面電車にお世話になってる。平行してJRが走っていて、そっちの方が行程の時間は絶対的に早い。しかしながら、1時間に1本とかの便数で乗り遅れたら、即アウトの地方的なルールに則らなくてはならない。
これは、結構キツイ。都市部では、電車に1本乗り遅れても「次のに乗れればいいや。」なんてことも可能だが、地方ではそれは通用しない。
先日も乗り遅れてみっちり1時間、誰もいない待合室にぽつりと一人待たされた。

そんなこんなで路面電車を使うことが多い。こちらは結構便数はある。噂によれば、この便数の多さが赤字幅を広めているらしいが、是非とも「この下駄履き感はなくさないでいて欲しいな。」なんて勝手なことを思ったりしてる。
この路面電車、少し待つとやってくるのだ。スピードは期待することはできないし、揺れもひどいのだが、時間的余裕があるときは、こちらを利用している。

この路面電車に惹きつけられているワタシがいる。

この車内、生活空間のにおいがプンプンする。
先日も列車に乗り込んだら、ベンチシートを机替りにして、宿題らしいものをしている小学生がいた。こちらでは結構路面電車を通学の足として使っている姿が見られる。都市部でも有名校に通うための電車通学を見かけるが、こちらは徒歩圏で通える位置に小学校区がないということが大きいのだろう。

 その横でおばあさんがニコニコしながら見ていて、「そこ違うよ。」とかコメントしてる。小学生も「あ、そうか。」なんて答えてる。みかんなんかを食べてる人もいる。見る感じに、初めて会った二人だが、会話がそこから始まってた。その後も様々な場面で会話が始まっているのが見てとれた。昼に乗ると老人率は高いが、そこは井戸端会議場そのもの。座席はそこかしこに空いているにも関わらず、前目に乗客が集まった場所に、皆寄ってゆく。お隣さんの感覚で会話が始まる。
スローライフそのもの。地方の老人の顔の豊かさみたいなものも感じた。

皆の生活空間の流れに身を浸しながら、トコトコと流れる空気感みたいなものをしみじみと楽しんでます。

そんな空気に浸り大阪に帰ってきたら、駅のホームで「チェダーインゼリー」を飲んでいる白髪、杖をついた老人を見た。一応、仕事をしている風。はた目にも疲れている風体が漂っていた。

それを見てたら、どっちの老人が幸せなんだろと考えた。

都市部のインフラは絶対的にすごくて便利。賃金を稼ぐ場や機会もある。けど、列車での隣人とのコミュニティなんて期待することなんてない。むしろ、都会で育った老人には、それは煩わしいものとして嫌悪するものなのかもしれない。

老後も、選択するのも人それぞれなんだろう。
| 旅の途中 | 12:15 | comments (3) | trackback (0)

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