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決別の頃
070617


六甲オリエンタルホテルが閉館
されると言うニュースが入った。
神戸と言えば、美しいシーサイドエリアにある近代的なホテルばかり目立つのだが、ここは山手の落ち着いた昔ながらの良い雰囲気があったホテルだった。
惜しいなぁと思う。

このホテルには、最近では大阪のみならず東京でもご意見番にのぼりつめた、かの安藤忠雄氏が作った「六甲の教会(風の教会)」が併設されている。
安藤建築の中では、これらの教会シリーズが一番良いと思っている。スケールがあまり大きくなってしまうと、あの打ち放ちの感じが大味になってしまうのだ。

ホテル建物と共に今後、どう扱われるのか不明のようだが、是非残して再復帰して欲しいなと思う。あの夜景は滅茶苦茶すばらしいんよ。「華麗なる〜」の神戸の夜景がそのままで見える。ホテル建物を綺麗にして、宣伝をもう少し上手くやったら、絶対イケルと思うんですが...。

そんなことを考えていたら、懐かしい思い出が甦った。

就職して間もなくの頃、会社の寮があった事もあって、ワタシは神戸に住んでいた。その寮の先輩が結婚式を挙げたのが、ココだった。
その頃、ワタシも大学を卒業したてで、ご多分に漏れず、休みの日には有名建築家の建築を追い続けてた。関西に来たと言う事で安藤建築も沢山見に行った。
そんな頃だから、実際に有名建築を利用するという体験に心踊ったものだった。

空間に身を浸すと、さすがシーンの作り方は素晴らしかった。壁の出入り・天井の上げ下げで空間の出現をコントロールすると言うのかな。
特に教会空間に向かうまでの回廊はさすがと言うべきもの。圧巻そのもの。

感動しつつも、式が始まった。式典の諸々が始まったが、うわの空であちこちを見まわしていた。「あそこはそうなって、ここはこうなんだ...。」

進むにつれて、耐えきれない暑さに気づいた。
真夏、カンカン照りの昼過ぎ。コンクリート打ち放ちの壁・屋根には断熱はない。
空調が全く効いてない。申し訳程度に吹出しから出される風

その時、気づいた。
「こういう建物は見るもので、住むものじゃねーな。」と...。

それ以来、有名建築廻りから決別した。あんまりトキメカナクなったノダ。
もっと生活や実作業に密着した建築を作る方向へ進んでいこうって感じたんだっけ。

新人が有名建築家を引いて、ここは○○(有名建築家)のようになんてやっているのを懐かしく思う昨今、このニュースと合い間って、あの頃を思い出した。
| 青春 | 09:23 | comments (4) | trackback (0)

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