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心変わりしないで
070415
桜ももう終わり
そろそろ初夏に向うのかな。
日本の夏も熱帯に近づいてるみたいだから、嫌な季節になりそう。

今日はちと建築業界で起きていることについて書いておこうと思う。
かつらの建築士こと姉歯氏が耐震偽装をして、この度、確認申請が改変になる。

確認申請とは、新しく建てる建物は、こうこうこういうものです。内容が法に照らし合わせて適合しているかどうか確認してくださいと言うもの。

構造の審査が厳しくなるのは、当然として...。
(この対応のために設計各社は、構造の担当のスペシャリストを沢山雇う必要が高まった。)この点については、言うに超したことはない。

だが、それに伴って確認申請で出したものは、何人たりとも誤字脱字以外は間違いは認めない。もし間違ってたり、変更したいならば確認申請を出し直しだ。と非常に厳しいお達しが出た。
(当然、確認申請料は再度、必要となる。この金額は面積に比例しているのでバカにならない。)

え、それって良いことじゃん。と思うだろう。

普通は1回で、設計内容を把握して確認申請してオッケーが出る。
そのようなケースは別段、問題はない。

しかし、ちと想いを巡らせて見てほしい。
家造るとき、設計図を描く。で、しつこいぐらいに内容を確認して、これで行きますよと申請書を作る。

でも、現地にモノが建ちあがってくると、設計図で思い抱いていたものと違った部分が必ず出てくるものなんです。これは、建物に想いが強い人ほど、傾向は強いかな。
一生に一度の買い物。そうそう妥協はできないはず。

人間たるもの、迷うものです。悩むものです。

そこで変更です。

今までは、構造に影響が無い部分や軽微なものであれば、計画変更と言うシステムで許して頂いていた。(変更の内容を書いて、届けて認めて貰ってた。)

しかし、今度からは、それができなくなりそうです。
変更したものは、最初からやり直し(確認申請の出し直し)です。

しかも、今回構造の申請内容を確認していただくために、認定審査期間は今までの3週間の期間から、2ヶ月半に伸びた。
今までの性善説の審査から、性悪説の審査への改変のための審査期間の延長。

これも辛い。竣工時期が変更とかで、内容が変わっちゃうと2ヶ月ぐらい伸びてしまう。商業施設なんかだと、その間の利益や売掛金、金利などがモロに影響を受ける。

我々としては、工期が伸びることは設計自身の瑕疵ではなく、皆様の「心変わり」が理由なんですよ。と口を酸っぱくして語って行かないといけない。

今回の改変
中には建築士の立場向上のためには、良い事だって意見が少なくない。
確かに変な建築士撲滅のためには、ためになるだろう。

しかし、オーナーやユーザーの皆さんのクビも同じように締める結果になりそうなことも書いておきます。

参加者の善意で任された図書文庫が、悪意ある一人のために、厳密なルールが規定され、借りる方も、本を提供する人間も杓子定規の中、利用者が萎縮してゆくみたいな...。

建築って造っているうちに、気が変わるものなんです。
だって人間なんだもの...。

この改変。運用されて混乱を招くことは、間違いないです。
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