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バスの空気
061103
最近、現場が電車の走っていない地域でバスを使うことが多い
バス路線でも乗換えみたいなことをしている。
バスの乗換えは列車のようには行かない。交通渋滞や天候に左右され、始発停車場で無い限り時間通り来る事は稀。
結構「乗り継ぎが悪いよなぁ。」なんて思っていても、前のバスが遅れていてピッタシカンカンなんてこともある。うまく乗れるのは時の運。まるで博打のよう。

また、バス停車場は自然に対して厳しい。
列車の駅であれば、よほど僻地でない限り屋根付きの場所で待てる。だがバスの停留所は殆どが雨ざらしの場所。夏の炎天下も堪らなかったけど、これから辛い季節がやってくる。
コートの襟を立てながら、足踏みして待つ季節がやってくる。

バスと言うものは停車場が多く、そこかしこでいろんな人が乗ってくる。
電車よりも地域密着色が濃いから、色々なドラマが繰り広げられる。

仕事帰り、珍しく時間通りにバスが来て乗車する。
結構な時間になっていたから、車内も空いていてすぐに座れた。

「あー疲れたなぁ。今日はまた宿題が増えたなぁ。どうしよっかなぁあの部材。」

どっぷりと暮れた車窓から見える景色。街の明かりが過ぎ去って行く。
車内は、廻りの車への影響もあって照度はぐっと抑えられている。だから電車で見られるように新聞を読んでいたり、本を読んでいたりする人が滅法少ない。

停車場でたった一人待つ女性が見え、バスが止まった。
その人が乗り込んできた。ツカツカツカと運転手のところまで行く。
「このバス、どこどこまで行きますか。」
「いや、そこは行きませんよ。」と運転手
がっくりとうなだれる女性。

「ちゃんとバス停の行き先案内を見ろよ。」と思う。
その女性が振り返って座席の方へ歩いてくる。外国人とおもわしき方。納得した。
列車の駅であれば、最近でこそ外国語表記があるものの、立て看板だけのバス停では外国語表記があるところなんて皆無だろう。
その女性が座席に座った。行けるところまで行くつもりだろう。

その後がイケていた。
バスの運転手が何事か運転席で語り出した。どうやら無線で話しているらしい。女性の行き先への乗換えができる停車場を一生懸命聞き出している。雰囲気では「最終の連絡が可能な停車場」があるようだった。車内は、それを聞いてホッとしている空気が流れた。
わかっていないのは、当のご本人だけの様子。
しかも疲れか何か知らずが、眠ってしまっているようだった。

その乗換え可能な停車場に着いた。一向に動かない女性。
運転手が「○○へお行きの方。ここで乗換えですよ。」と2度ほど繰り返す。
しかし女性、眠ったまま。運転手が運転席から離れようとする。
同乗していたサラリーマン風の客がしびれを切らして、女性のところへ行き肩をポンポンと叩く。ハッと我に返る女性。急いで降車口に立つ。

「ここから反対車線のあの建物の前でバス乗換えね。チェンジヒアね。あそこね。」と指さしながら説明する。
3回目ぐらいで納得した女性。何度も何度も「ありがとう」を繰り返す。
チラッと見えた横顔は本当に嬉しそうだった。

車内の空気はほんわかしたものになったのは言うまでもない。

バス車内、結構、運転手の人柄で空気が変わったりする。
回数券をお願いすると「停車中に願います。」つっけんどんに言われ、停車中にお願いすると何も言わずにブスッと渡してくる運転手。
お前はヤンキーかと思えるようなグラサンをかけた運転手。
バス運転手は一人しかいない車内、本来のドライブの目的と共に、会社の営業やサービスをも全て受け持っているはず。

同じ乗り合わせるならば、気持ちの良い運転手に巡り合いたい。
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