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タグ
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電車を降りたプラットホーム。
何げに下を見たら、タグが落ちていた。

タグと言ってもHTMLのタグじゃーない。
あのクリーニングの目印のタグ。

あのタグ、黄色や水色や赤の原色を利用しているから、目に付きやすい。
ポツリと落ちていたタグが、そこで繰り広げられたドラマを語っていた。

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「あー、今日も仕事か。昨日は遅くまで部長と飲んでいたからなぁ。」
「うーん、何だか今日は視線が集まるぞ。」
「さては昨日の酒が残っていて顔に出ているか。」
「いや、朝、顔を洗ったときには抜けていたはずだ。」

「おっ、あの可愛いおねーちゃんも見ているぞ。」
「ん、じじぃ、お前は見なくていい。」

「それにしても何だか変やな。何で今日だけ皆が見るんや。」
ズボンのチャックをチェックする。
「ふぅ大丈夫や。」

そんなこんなで電車を降りる。
後ろから肩を叩かれた。
「誰や。」
振り返ると太ったおばはんがいた。

「ちょっと、おっちゃん。クリーニングの札が付いてるで。」
黄色のタグが手渡される。
「す、すいません。ありがとうございます。」

「くっそう、女房の奴。このスーツ、クリーニングに出してそのままか...。」
「どうりで視線が集まると思ったわい。」
タグを床にそ知らぬ顔をして、捨てて歩き去った。


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春物に替わり時、気をつけてくださいませ。
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